酸化安定性加速試験装置 オキシテスト
装置概要
オキシテストは、食品、医薬品、化粧品などの研究開発を迅速化する新しい発想の試験装置です。酸化安定性加速試験装置として、AOCS Standard Procedure Cd 12c-16に準拠しています。
食品の劣化には様々な要因がありますが、オキシテストは、その中の一つ「油脂の酸化」を記録する環境試験装置です。サンプルを高酸化性ストレス環境(高温、高圧酸素)内に置くことにより、酸化反応を促進し短時間で酸化が起こる状況を作ります。装置内の酸素が消費されると圧力が下がるため、その圧力変化をソフトウェアにより記録していきます。温度、酸素圧力などの条件を変えて試験を行い、圧力の変化(酸化)をデータで比較することもできます。
装置は2つの独立した酸化反応槽を持ち、同じサンプルを2連で、もしくは異なる2つのサンプルを同じ条件で測定することができます。専用ソフトウェアは一つのコンピュータで4台までのオキシテストを接続し、同時に8つのサンプルを測定することが可能です。
測定時間は、油脂の種類やサンプル中の割合などによって変化します。測定温度は室温から110℃まで、圧力は最大8barまで選択することができます。
*油分の酸化を測定するため、油分の含まれないサンプルではデータが得られません。
*賞味期限などを設定するためのデータが得られる装置であり、賞味期限を定める訳ではありません。
オキシテストの応用
- 製品の配合による酸化安定性の違いの測定
- 保存期間の違いによる酸化安定度の変化の測定
- 容器包装などの違いによる酸化安定度の変化の測定
- 異なる温度で測定した酸化安定度から常温の場合の酸化安定度を推定する。
酸化反応を促進し短時間で測定することにより、研究開発や製造法の改良などで早い対応が可能になります。
測定原理/測定⽅法
Step 01
チタン製⽫にサンプルを適量採り、酸化反応槽に⼊れて密閉します。
Step 02
酸化反応槽内部に酸素ガスを充填し、加圧します。
Step 03
酸化反応槽を加温し、内部圧⼒を測定します。
Step 04
サンプルが酸化されることで槽内の酸素が消費され、圧⼒が低下します。
Step 05
急激な圧⼒変化を検出した場合はそれまでの時間を誘導期間として計算します。
サンプルを密閉した後は、PCの付属ソフトウェアOXISoftTMでプログラム設定、装置の動作管理を行います。加圧し、圧力測定が始まると必要な操作や作業はありません。圧力変化が現れるまで、そのまま装置は稼働させておきます。サンプルによりますが、5日程度測定を続けます。
測定が終わりましたら、データはソフトウェアで保存され、レポート化、他のデータとの比較などができます。装置は温度が下がるのを待ち、ガスを抜き、清掃します。
オキシテストは前処理をせず、サンプルをそのまま測定にかけます。(粉砕などの均一化は必要) 試薬を使用しないため、薬品の管理や測定後のサンプル処理の心配がありません。
必要な設備
- 電源230V
- アップトランス 200V→230V
- 酸素ガス 純度99.99%以上
- PC データ管理用、ソフトウェア付属「OXISoftTM」
付属ソフトウェア OXISoftTM
・1台のPCで最⾼4台のオキシテストを接続可能 ・データロガー/データベースを1画⾯に表⽰
・データを利⽤して様々な解析に利⽤可能 ・データをExcel/LIMSに転送可能
技術仕様
試験温度 | 室温~110℃ |
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安全装置 | リリーフバルブ(10bar)、サーモスタット(130℃) |
反応室内圧力 | ~8bar |
使用ガス | 純酸素(99.99%以上) |
同時試験数 | 2検体 |
酸化反応槽材質 | チタニウム合金 |
サンプル容量 | ~100ml(試料の密度による) |
電源 | 230VAC 50/60Hz 900W |
寸法(WxHxD) | 363x98x490mm |
重量 | 18kg |
よくあるご質問
食品以外のサンプルも測定できますか?
油分があれば測定は可能です。肥料の測定などにも使われています。
食品であっても、油分がなければ圧力変化が見られません。測定できるかどうか、サンプルテストでお試しください。
前処理が必要ですか?
分解や薬品での前処理は不要です。サンプルはそのまま酸化反応槽に入れます。
ただし、サンプルの形状によっては粉砕などの均一化が必要です。
液体のサンプルは測定できますか?
液体も測定可能です。調味料など様々なものが混じっているサンプルの場合、撹拌しながらサンプリングをしてください。